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ふるさと納税で1番面倒そうに感じるのが、限度額の計算部分ですよね。

 

実際は、下記でも説明したように計算式などを知らなくても控除額シュミレーションを利用することで大体の限度額はわかります。

 

 

が、計算式を知りたいという真面目な方のために具体的な数値などを使って計算方法について解説しますので参考にしてみてください。

 

ふるさと納税の限度額計算に使う計算式

総務省のページで紹介されている計算式

Hyou3

 

これは総務省で紹介されている控除額計算の図ですが、右側の1~3番が限度額を計算する際に使う計算式になります。

 

具体的には下記にように計算式の記載があるのですが、限度額と控除額が混ぜ混ぜだったり注意書きなども書かれているので非常にわかりにくいです。。笑

 

1.所得税からの控除 = (ふるさと納税額-2,000円)×「所得税の税率」
所得税からの控除額は、上記①の計算式で決まります。
なお、控除の対象となるふるさと納税額は、総所得金額等の40%が上限です。
※平成49年中の寄附までは、所得税の税率は復興特別所得税の税率を加えた率となります。
※所得税の税率は、課税所得の増加に応じて高くなるように設定されており、その納税者に適用される税率を用います。
所得税の税率について(国税庁)別ウィンドウで開きます
住民税からの控除には「基本分」と「特例分」があり、それぞれ以下のように決まります。

2.住民税からの控除(基本分) = (ふるさと納税額-2,000円)×10%
住民税からの控除の基本分は、上記②の計算式で決まります。
なお、控除の対象となるふるさと納税額は、総所得金額等の30%が上限です。

3.住民税からの控除(特例分) = (ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率)
住民税からの控除の特例分は、この特例分が住民税所得割額の2割を超えない場合は、上記③の計算式で決まります。

この説明だと今すぐページを閉じたくなると思うでしょうが少し待ってください。

 

これから噛み砕いてわかりやすく説明していきます。

ふるさと納税の控除額計算式

まずは先ほどの式をスッキリさせます。

 

1.所得税からの控除
= (ふるさと納税額-2,000円)×「所得税の税率」

 

2.住民税からの控除(基本分)
= (ふるさと納税額-2,000円)×10%

 

3.住民税からの控除(特例分)
= (ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%-所得税の税率)
※2番の基本分10%と1番の所得税の税率

 

ふるさと納税における税金の控除額はこの3つの項目で計算することができ、「3.住民税からの控除(特例分)」という部分がふるさと納税で足された項目です。

 

上の3つの計算式だけ見ると、3番は控除額100%から1番と2番の控除割合をマイナスした残り全部となっていますよね。

 

仮に年収400万円の人がふるさと納税を10万2000円したとすると、

 

1番は10万円×10%で1万円(年収400万の人の所得税率は10%)、2番も10万×10%で1万円、3番は10万円×80%で8万円という計算になります。

 

そのため、「ふるさと納税ってやればやるほど税金も控除されてお得じゃん♪」ってなるわけですが、実際はそれぞれの項目には限度額が定められています。

 

この限度額を超えてしまうと税金が控除されないただの寄附となって損をしてしまうことにつながるので、お得にふるさと納税するためには限度額内におさめる必要があるのです。

 

そのため、ふるさと納税では控除額と限度額を分けて考えなくてはいけません。

 

ふるさと納税の限度額計算式

 

先ほどの控除額における1~3の計算式に対応する限度額は下記のように決まっています。

 

1.所得税からの控除の限度額 → 総所得金額の40%

 

2.住民税からの控除(基本分)の限度額 → 総所得金額の30%

 

3.住民税からの控除(特例分)の限度額 → 住民税所得割額の2割

 

控除額と限度額の式を見比べるとわかりますが、控除額は3番の特例分控除が全体の80%程度と1番割合が大きいのに対して、限度額は3番の特例分の控除が1番割合が小さいですよね。

 

※住民税所得割額は後から出てきますが所得金額に対してかなり小さいです

 

ここがふるさと納税の限度額計算が難しくなる理由なんですが、逆に言うと3番の特例分の控除が限度額を超えなければ、1番と2番は絶対に限度額を超えることがありません。

 

そのため、ふるさと納税の限度額を計算する場合は「3の特例分」のみ限度額内におさまるようにふるさと納税額を決定すればいいのです。

 

ふるさと納税の限度額の具体的な計算手順

 

さて、ここからは具体的に数値を当てはめつつ、限度額を計算していこうと思います。

 

控除額と限度額の式は下記のとおりです。

 

Hyou4

 

※所得税率は厳密には復興特別所得税2.1%もかかってくるんですが、ふるさと納税の限度額計算の際にほとんど影響を与えないので今回は除外します。

具体的に数値を当てはめて計算してみた

今回はサラリーマンの一般的な年収と言われている400万円を基準に考えてみましょう。

 

給与(額面):5,675,000円
総所得金額:(給与所得控除後の金額):400万円
基礎控除や扶養控除などの全所得控除後の金額:230万円
所得税率:10%
ふるさと納税額:5万9000円(ここが知りたい!)

 

年収400万円というのは総所得金額なので、額面に記載される給与は上記になります。

 

ふるさと納税額の59000円というのはこれから行う計算することでわかる金額です。

 

【手順1】住民税からの控除(特例分)の限度額を求める

先ほども説明したようにふるさと納税の計算で考えないといけないのは、

 

「3.住民税からの控除(特例分)」を限度額内にすること

 

の1点のみになります。

 

そのため、まずは住民税からの控除(特例分)の限度額を計算するのですが、限度額は「住民税所得割額の2割」となっていますよね。

 

住民税所得割額というのは、全所得控除後の金額に10%をかけたものでいわゆる住民税です。

 

つまり、住民税の2割が限度額になります。

 

※一般的にふるさと納税の限度額が住民税の2割くらいと言われる理由がこれです。

 

実際は住民税の基本分と所得税からの控除分を足したものが限度額になるので「2割くらい」なんですが、ふるさと納税って限度額を超えても罰則があるわけではなく、自己負担が少しだけ増えるくらいなので厳密に計算しなくてもOKです。

 

 

では、先ほどの具体的な数値を元に住民税所得割額を計算してみると、

 

230万円 × 10% × 20% = 46000円

 

となりますよね。

 

これで、住民税からの控除(特例分)の限度額は46000円ということがわかりました。

 

【手順2】控除額の関数式に特例分の限度額を当てはめる

手順1で、「住民税からの控除(特例分)」の限度額は46000円とわかったので、後は「住民税からの控除(特例分)」を46000円以内におさめればいいわけです。

 

3番の式は「(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率)」でしたよね。

 

年収400万円の場合の所得税の税率は10%のため、

 

(ふるさと納税額-2,000円)× 80% ≦ 46000円

 

となれば限度額を超えずに済むので、あとは「ふるさと納税額」を「x」と置いて中学1年生の関数の計算をするだけですね。

 

x = 46,000円 ÷ 0.8 + 2000 = 59500円

 

となるので、年収400万円の場合のふるさと納税限度額は59500円となります。

 

実際の寄附金額は1000円単位がほとんどなので、59,000円までなら自己負担2000円で返礼品をもらうことができます。

 

 

ちなみに、念のために残り2つの項目も限度額を超えていないか、一応確認してみましょう。

 

1.所得税からの控除は(ふるさと納税額-2,000円)×「所得税の税率」なので、

 

(59000円 – 2000円)× 10% = 5700円 となり、限度額は総所得金額の40%で160万円なので大丈夫ですね。

 

2.住民税からの控除(基本分)は= (ふるさと納税額-2,000円)×10%なので、

 

(59000円 – 2000円)× 10% = 5700円 となり、限度額は総所得金額の30%で120万円なので、こちらも限度額内です。

 

 

いやー、長かった計算もやっと終わりを迎えました笑

 

まとめ

一見、ふるさと納税の限度額計算は小難しい式が並んで面倒そうですが、所得額などがわかれば計算するべき項目は1つだけしかありませんでしたよね。

 

まぁ、1つだけと言っても控除シュミレーションを利用すれば自動で計算してくれるので、手動で計算する必要はないのですが‥苦笑

 

どういう計算をしているのか知りたい場合の参考になれば幸いです。

 

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